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スマホで置き換えられる7つの道具 (水平器ほか)

スマホには、引き出し一杯分の道具の代わりになるセンサーがすでに入っています。うまく代用できるものもあります。一方で、ざっくりした目安にしかならないものも一つ二つあります。大事なのは、本番の作業で頼る前にどれがどちらなのかを見分けることです。この記事では、スマホが肩代わりできる7つの道具を順に見ていきます。そして、それぞれがどこで力不足になるのかも正直にお伝えします。

要点

  • 水平器と角度計はこの中でいちばん優秀です。較正したスマホなら0.数度まで読み取れて、中級クラスの水平器に近い精度が出ます。
  • 無料のNIOSH Sound Level Meterアプリを入れれば、スマホはそこそこ使える騒音計になります。工房が耳栓の必要な85デシベルを超えているかどうかを判断できる程度には十分です。
  • AR定規アプリは6フィート以下で5~10パーセントほどずれます。切る予定のものは、これで測らないでください。
  • それでも買っておくべき道具が一つ: メジャーです。切断に必要な1/4インチの精度に近づけるアプリはありません。
  • 磁力計を使った間柱や金属の検出は、あくまで補助的な確認です。構造にかかわる作業のメインの手段にはなりません。

スマホの中のセンサー

最近のスマホには、思っている以上に充実したセンサーが詰まっています。どのセンサーが何を担っているかを知ると、それぞれの道具をどこまで信じてよいかが分かります。加速度計は3軸方向にかかる重力を測ります。これが水平器と角度計を動かしています。ジャイロスコープは回転をとらえて読み取りを安定させます。磁力計は磁場を読み、コンパスや間柱センサー、金属探知アプリはこれを頼りにしています。そこにマイク、カメラ、GPS受信機が加われば、以下で紹介するすべての材料がそろいます。

それぞれの代用がどれだけ使えるかは、裏で働くセンサー次第です。加速度計を使う道具はもっとも成熟しているので、水平器や角度計は信頼できます。カメラを使うAR定規がいちばん不安定です。残りはその中間あたりに収まります。

モバイル機器から取り出した3軸MEMS加速度計チップのマクロ写真
スマホの中の1つのMEMSチップが、水平器、傾斜計、コンパスの機能を肩代わりします。

道具1: 水平器

この中で群を抜いているのが加速度計です。一度較正すれば、スマホは0.数度の精度で水平を読み取れます。これは中級クラスの水平器に近く、ホームセンターに並ぶ安い無認証の水平器よりは正確です。これを担うチップは何年も前から中級スマホの標準装備なので、良い数値を出すのにハイエンド機は要りません。

スマホの水平器で十分なとき

DIYなら何でもこなせます。絵を掛ける、棚をつける、家電の水平を出す、ドア枠を確認する、といった作業です。職人仕事の多くもカバーできます。キャビネットの取り付けから、床や壁のタイル張り、フェンスの支柱立てまで。音のフィードバックや測定の記録機能は、気泡管の水平器には決してできない働きもしてくれます。

力不足になるとき

測量作業や、1/20度より高い精度が求められる機器の据え付けには手が届きません。長い距離をまたいで面のたわみを拾う必要がある作業も同様です。スマホが測れるのは本体の長さ、およそ6インチの範囲だけです。4フィートの水平器なら、スマホには見えない高低差もまたいで拾えます。

Spirit Level Proは、較正済みのスマホ水平器に近接音フィードバック、6種類の勾配単位、測定記録をつけたものです。ダウンロードは不要です。

Open Spirit Level Pro

道具2: 分度器と角度計

同じ加速度計が角度計にもなります。スマホを面にぴたりと当てれば、角度が度数で読めます。正確な角度が必要な職人仕事では、機械式の角度計を扱うよりこちらの方が楽です。精度は水平器と同じで、較正すれば0.数度です。

活躍する場面

クラウンモールディング用に卓上丸のこの角度を決めるのが良い例です。クラウンは、壁と天井が作る隅の角度とモールディングのバネ角の両方で決まる複合角で取り付けます。だから45度と当てずっぽうでやってもまず合いません。スマホで実際の隅の角度を測れば、当て推量ではなくその数値どおりに切れます。階段の手すり確認も同じです。建築基準では手すりを水平から34~38度に収めることが多く、スマホなら数秒で確認できます。スロープも同様です。ADA基準のスロープは1:12の勾配、つまり約4.76度を超えられませんが、角度計を見れば基準内に収まっているか一目で分かります。

勾配単位が助けになる

勾配の単位を複数持つアプリなら、角度計はもっと使えます。Spirit Level Proは読み取りを6つの単位で表示します。度、パーセント勾配、メートルあたりのミリ、フィートあたりのインチ、N:1の比率、N:12の屋根勾配です。頭の中で換算する必要はありません。図面の仕様に合わせて単位を選び、そのまま読み取るだけです。

スマホが正確な角度を測れるようにする3軸MEMS加速度計の基板
面の水平を確かめるのと同じセンサーで、卓上丸のこの角度も正確に決められます。

道具3: コンパスと方位

磁力計はデジタルコンパスになります。較正すれば真方位から数度以内に収まり、大まかな方角の確認には十分です。ハイキング、ソーラーパネル向けに屋根がどちらを向いているかの確認、現場での風向きの読み取りなどに使えます。オフラインで動くので、電波がなくても大丈夫です。

磁力計の較正

方位を取る前に、スマホを8の字に振ってください。この動きで複数の角度から磁場を拾い、地球の磁場と周囲の干渉とをスマホが区別しやすくなります。新しい場所に移ったときや、数値がふらつき始めたときは、そのつどやり直します。

注意が必要なとき

磁力計は近くの金属に反応します。鋼の工具やマグネット式のマウント、車のドアから6インチ以内にスマホを持っていくと、方位が狂います。読み取る前に金属から離れてください。同じ弱点があるので、同じセンサーを使うスマホの間柱センサーも、家電や金属製のキャビネットの近くでは誤った反応を出します。

道具4: 定規と測定ツール

AR測定アプリは、カメラで面の特徴を追いながら距離を推定します。iOSに最初から入っているMeasureアプリがその例で、Androidにも似たアプリがあります。手軽ではありますが、ずれます。実際には短い距離でも5~10パーセントほど狂うと考えておくとよく、距離が伸びるほど誤差は大きくなります。AppleはMeasureの精度を公表していません。それ自体が一つの答えとも言えます。

AR定規で問題ないとき

このソファはあの隙間に入るか。床材を買う前に部屋のおおよその広さを知りたい。そういう用途に向いています。メジャーが手元になく、数パーセントのずれが問題にならないなら、スマホの方が速くて十分です。

それでも買っておくべき道具

重要: 切る予定のものには、AR定規アプリを絶対に使わないでください。48インチのキャビネット開口部での5パーセントの誤差は、およそ2.5インチにもなります。そして切った板は元に戻せません。切断に必要な1/4インチの精度を保てるスマホアプリはありません。メジャーは1本10ドルほどです。スマホに何ができようと、手元に残しておく価値のある唯一のハードウェアです。

さまざまなアプリが従来の測定用の道具をどう置き換えるかを示す複数のスマホ
1台のスマホが道具箱の中身を肩代わりします。水平器、分度器、コンパス、下げ振りです。

道具5: 騒音計

スマホのマイクは、適切なアプリを使えばそこそこ使える騒音計になります。使うべきはNIOSH Sound Level Meterアプリです。無料で、米国国立労働安全衛生研究所が出しているもので、スマホでちゃんと動くよう作り込まれています。OSHAは1日8時間の平均で85デシベルを超えたら耳栓を着けるよう定めており、このアプリを入れたスマホなら、工房がその線を越えているかどうかがはっきり分かります。

役立つ場面

長時間の作業中、工房が耳栓の必要なほどうるさいかの確認。うるさい隣人を苦情のために記録すること。アプリが測定に時刻を記録してくれます。新しい暖房機や家電、電動工具が定格の騒音値内で動いているかの確認。コンサートやイベントで自分がどれだけ音にさらされているかを見張ること。

気をつけたいこと

スマホのマイクは非常に大きな音で歪みます。だいたい115~120デシベルを超えたあたりです。空気圧工具や電動のこぎりに近づけて向けると、実際より低く出ます。本格的な職場の騒音測定には、較正されたタイプ1かタイプ2の騒音計がやはり必要です。それ以外の用途なら、NIOSHアプリで用が足ります。

道具6: 間柱センサー

スマホの間柱センサーは磁力計を読み、間柱に打ち込まれた乾式壁のネジや釘を拾います。これらのネジは鉄を含み、通常16インチ間隔で規則正しく並んでいるので検出できるのです。多くのアプリがこれをやっています。ただし見つけているのはネジであって、間柱そのものではありません。乾式壁の裏の柱の幅はおよそ1.5インチで、その中心はネジの列から横に3/4インチほどのところにあります。

うまく使うコツ

スマホを床と平行に保ち、壁沿いにゆっくり滑らせて、アプリの数値を見ます。ネジに近づくと数値が上がり、通り過ぎると下がります。ピークがちょうどネジの真上です。そこに印をつけ、そこから内側へ3/4インチほど測れば間柱の中心に届きます。最初のネジの真上でもう1本ネジを見つければ、線を確認できます。間柱は縦に走っているからです。

本物の間柱センサーを使うべきとき

テレビの壁掛け、荷重のかかる棚、コンセントボックスなど、重さを支えるものには、磁気検出とAC配線検出の両方を備えた専用の間柱センサーを使ってください。AC検出があれば、通電中の配線に穴を開けずに済みます。スマホはAC配線をまったく感知できません。ドリルを使う場面では、この差が効いてきます。

道具7: 金属探知機

磁力計は基本的な金属探知もできます。この手のアプリは、スマホが鉄や鋼に近づくにつれて上がる数値を表示し、コンクリート内の鉄筋、壁の中のパイプ、埋め込まれた金具などを知らせてくれます。探知できる範囲は狭いです。反応するのは数インチ以内、金属が小さければもっと短いと考えておいてください。

ドリルを入れる前に

ここが本領を発揮する場面です。壁や床板にドリルを入れる前に、穴を開ける線に沿ってスマホをゆっくり動かします。数値が跳ね上がったら、そこに鉄を含む金属があります。壁なら、おそらくネジか釘、あるいはパイプです。コンクリートなら鉄筋や配管の固定具かもしれません。スマホは何が見つかったかまでは教えてくれず、何かがあるとだけ知らせます。刃を入れる前に手を止めて確かめてください。

できないこと

拾えるのは鉄と鋼だけです。銅管やアルミの配管など、鉄以外の金属は見えないままです。本物の金属探知機は電磁誘導を使い、あらゆる導体を見つけます。スマホは第一段階の確認と考え、完全なスキャンとは思わないでください。埋設された配管や配線がかかわる改修工事では、掘る前や穴を開ける前に、担当の業者に配線の位置を印してもらってください。

どの代用が本当に使えるか

7つの道具は横並びではありません。水平器が満点なのは、較正したスマホが本当に中級クラスの水平器に肩を並べるからです。間柱センサーが下位なのは、ネジを見つけることと間柱の中心を見つけることは別物で、AC検出がないという本物の安全上の穴があるからです。下の表に、それぞれがどのあたりに位置するかをまとめました。

置き換える道具 使うスマホのセンサー 精度 評価
水平器 加速度計 較正時±0.1°~0.3° ★★★★★
分度器・角度計 加速度計 較正時±0.1°~0.3° ★★★★☆
コンパス 磁力計 ±2°~5° ★★★★☆
定規・メジャー カメラ (ARKit/ARCore) ±5%~10% (6フィート未満) ★★★☆☆
騒音計 マイク ±2~3デシベル ★★★★☆
間柱センサー 磁力計 ネジは拾えるが中心は不可 ★★☆☆☆
金属探知機 磁力計 鉄系金属を2~3インチ以内で検出 ★★★☆☆

水平器と角度計の評価が高いのは、加速度計が成熟しているからです。コンパスと騒音計の評価が良いのは、センサーと良いアプリの組み合わせで、たいていの作業に十分近づけるからです。AR定規が中位なのは、手軽だが甘いからです。間柱センサーと金属探知機が下位なのは理由が一つで、磁力計は磁場の検出器であってX線ではないからです。これらは出発点として使い、最終判断にはしないでください。

よくある質問

スマホはメジャーの代わりになりますか。

確実にはなりません。iOSのMeasureのようなAR定規アプリは、短い距離でも5~10パーセントずれます。木材を切る、ドアを合わせる、タイルを張るなど、1/4インチの精度が必要なことには、メジャーだけが安全な選択です。スマホは大まかな見当をつけるのに使い、切る予定の寸法には決して使わないでください。それでも買っておく価値のある専用の道具はメジャーだけです。

スマホは騒音計としてどのくらい正確ですか。

良いアプリを使えば数デシベル以内です。無料のNIOSH Sound Level Meterアプリは米国政府が出しているもので、スマホでその範囲を保てるよう作り込まれ、検証されています。マイクは115~120デシベルあたりを超えると歪むので、非常に大きな音源には向けないでください。工房の安全確認やうるさい隣人の記録には、NIOSHアプリを入れたスマホで十分です。

スマホは壁の間柱を見つけられますか。

ある程度までは、です。磁力計は間柱付近の乾式壁のネジを見つけますが、間柱の中心そのものは分かりません。本物の間柱センサーで探した後の確認や、ドリル前のざっとした確認に使ってください。テレビの壁掛けや重い棚など、重さを支えるものには、AC配線検出付きの専用の間柱センサーを使いましょう。スマホは通電中の配線を感知できません。ここが効いてくる安全上の穴です。

本番の作業で頼れるスマホのセンサー道具はどれですか。

水平器と角度計です。較正すれば0.数度まで読み取れて、中級クラスの水平器に近づきます。コンパスと騒音計は、たいていの日常作業には十分な精度です。AR定規、間柱センサー、金属探知機はざっと確認するには便利ですが、精度や構造にかかわる作業では頼りにしないでください。

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