フェンスの支柱をプロのように垂直に立てる方法
フェンスの支柱は、前後だけでなくあらゆる方向で本当にまっすぐ立っていて、はじめて垂直と言えます。初めてフェンスを作る人が一番やりがちなのが、片面だけを見て「よし」としてしまうことです。正面から見ると完璧にまっすぐでも、横方向に2°くらい傾いていることはよくあります。1.8m の支柱なら、2°傾くだけで上端が約6.4cm もずれてしまい、これだけで横桟が目に見えて曲がってしまいます。両方向を同時に確認すれば、コンクリートを流し込む前にこれを見つけられます。
この記事の要点
- 1.8m の支柱が2°傾くと上端が約6.4cm ずれ、横桟が曲がってしまいます。
- 支柱の片面だけでなく、Surface モードで両方向を同時に確認しましょう。
- 穴の底は地域の凍結深度より下まで掘りましょう。浅いと冬に支柱が押し上げられます。
- 控えを付けた後と、コンクリートを流し込んだ直後にもう一度垂直を確認しましょう。支柱はコンクリートを入れると動きます。
- ホールド/フリーズで数値を固定すれば、画面を見続けずに両手で控えを作業できます。
支柱の垂直が思っている以上に大事な理由
支柱は水平ではなく垂直に立てます。水平とは横方向のまっすぐさ、垂直とは縦方向のまっすぐさです。横桟は水平に、支柱は垂直に。支柱がずれていると横桟が水平に収まらず、パネルが傾いて隙間が開いてしまいます。2°傾いた支柱は根元では一見まっすぐに見えますが、1.8m の支柱では上端が約6.4cm もずれます。パネルを何枚か並べれば、そのずれははっきり見えてきます。
仕組み自体は難しくありません。上端のずれは、支柱の高さに傾き角度のサインを掛けた値です。1.8m の支柱なら2°でおよそ6.4cm、1°でも3cm 以上になります。どちらも通しで見ると目立ちます。数区画にわたって横桟が上り坂や下り坂のように見えるときは、たいてい横桟ではなく支柱が原因です。
垂直が大事な理由はもう一つあります。互いに内側に傾いた支柱はフェンス板を押し合って圧縮します。外側に開いた支柱はパネルの上部に隙間を作ります。年を追うごとに、この力がパネルをねじり、ビスを緩ませ、力のかかる継ぎ目は早く腐ります。垂直に立ったフェンスほど長持ちします。
フェンスの支柱の穴はどのくらい深く掘るべきか
支柱の垂直は穴の深さから始まります。浅く立てた支柱は持ち上がり、傾き、いずれ倒れます。特に地面が凍る場所ではなおさらです。ルールは単純で、支柱全体の3分の1以上を埋めます。地上に1.8m 出す支柱なら、全長2.7m の支柱を0.9m 埋めます。寒い地域では、これに加えて凍結深度のルールが乗ってきます。
凍結の深さは地域によって大きく変わります。温暖な南部では地面がほとんど凍らないので、3分の1のルールだけで深さが決まります。寒冷地では数十センチから、いちばん寒い地域では1.8m 以上に達することもあります。支柱の底が凍結線より上にあると、冬のたびに地面が支柱を少しずつ押し上げます。これが凍上(フロストヒーブ)です。何度か冬を越すと支柱が浮き上がり、コンクリートの襟が割れ、支柱はもう垂直ではなくなります。
凍結深度のルール:穴の底は地域の凍結深度より下に設定します。凍結深度は地元の役所や建築の窓口で教えてもらえるので、掘る前に一本電話しておく価値があります。あてずっぽうはやめましょう。凍結深度より数センチ上に立てた支柱は、十数センチ上に立てたものとほぼ同じ速さで駄目になります。
穴の幅は支柱の3倍ほどにします。10cm 角の支柱なら25〜30cm、15cm 角なら40〜45cm の穴です。このコンクリートの襟が、支柱を横に倒そうとする力を受け止めます。狭い穴でも初日は支柱を立てておけますが、何年もの風とパネルの荷重には耐えられません。
正面だけでなく両方向を確認すべき理由
どのフェンスの手引きも「垂直を確認せよ」とは言いますが、両方向を確認せよと書いてあるものはほとんどありません。支柱の正面に当てた気泡式の水平器が読み取るのは、前後の傾きだけです。左右のことは何も分かりません。正面のチェックは合格しても、横方向に数度傾いていることはあり、その横方向の傾きこそが、通しで横桟を狂わせる原因になります。
Spirit Level Pro の Surface モードなら、両方向を同時に読み取れます。丸い気泡がピッチ(前後)とロール(左右)を一緒に追いかけます。気泡が中央に収まれば、どちらもゼロです。支柱が本当に垂直だと確かめられるのは、このチェックだけです。支柱での使い方は次のとおりです。
- Spirit Level Pro を Surface モードで開きます。 使うのは丸い気泡が2Dで動くほうで、Plumb モードの縦長のものではありません。Surface モードは両方向を一度に読み取るので、縦の支柱にはこれが必要です。
- スマホを支柱の面にぴったり当てます。 スマホの背面を支柱のいちばん広い面に平らに当てます。手で浮かせて持つのではなく、木に密着させてください。そうしないと、支柱ではなく手の角度を測ってしまいます。
- 両方向を読みます。 丸い気泡が前後の傾きと左右の傾きを同時に示します。支柱が垂直であるには、両方がゼロを指す必要があります。片方だけ中央でもう片方がずれているなら、正面からはまっすぐに見えても横に傾いています。
- 次の面に回してもう一度確認します。 90°回して隣の面を確認します。これで別の方向の組を読むことになります。角材の支柱なら、二つの読みは一致するはずです。片面だけでは見落とすねじれを、これで捕まえられます。
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Open Spirit Level Proフェンスの支柱にはウェット方式とドライ方式、どちらのコンクリートを使うか
どちらもきちんとやれば丈夫な支柱になります。本当の違いは、調整できる時間の長さです。水と混ぜてから流し込むウェット方式は、固まり始めるまで支柱1本あたりおよそ1分。ドライ方式は乾いたまま支柱の周りに入れてから水をかける方式で、初期の固まりまで30分近く猶予があります。この用途でよく使われる混ぜ不要の袋がクイックリートのファストセッティングです。
ウェット方式コンクリート
ウェット方式は混ぜたスラリー状で、支柱の周りの穴にそのまま流し込みます。土にも支柱にもぎっしり密着し、空洞なく充填できます。難点はあの1分の作業時間です。穴に入れたら手早く動かすことになるので、控えは先に立てておき、垂直も流し込む前に確認しておきます。後からでは間に合いません。
10cm 角の支柱を25cm の穴に立てるなら、1本につき25kg 袋を1つが目安です。二回に分けて流し込み、最後だけでなく各回のあとに垂直を確認します。一回目で支柱が動きやすく、二回目で固定されます。突き固めはほどほどに。強く叩きすぎると支柱が動いてしまいます。
ドライ方式コンクリート
ドライ方式は乾いたまま入れてから後で水をかけるので、現場に必要なのは袋とホースだけ、混ぜる手間がありません。乾いた粉を支柱の周りに入れ、しみ込むまでゆっくり水を足します。1袋あたり4リットルほどが目安です。20〜40分で固まり始め、数時間かけて硬化します。
作業時間が長いのが、この方式を選ぶ理由です。一列の支柱すべてに乾いた粉を入れてから、最後の垂直確認をして手直しをし、それから列の端から順に水をかけていけます。水をかけるまで、何も固まりません。
流し込む前と後の両方で垂直を確認しましょう。 支柱は流し込みの最中に、思っている以上に動きます。生のコンクリートが入るときに支柱を押すからです。混ぜたてが流動的なうちにすぐ垂直を確認し、固まる前にずれを直しましょう。この一手間だけで、傾いた支柱のほとんどを防げます。
コンクリートが固まる間に支柱を垂直に控える方法
確認したときは垂直だった支柱も、控えを付け、流し込み、固まるのを待つあいだにずれることがあります。控えは支柱を二方向でしっかり止めなければなりません。控えが一本だけだと一つの面では止まっても、もう一方の向きに振れてしまうので、およそ90°ずらして最低二本使います。
- 杭を二本打ちます。 支柱から1.2m ほど離した位置に、フェンスの線に沿う向きと、それと交わる向きの二方向へ杭を打ちます。しっかり打ち込みます。杭が緩いと控えがしなって支柱が動きます。
- 2x4の控えを付けます。 2x4材を支柱から杭まで届く長さに切ります。まだ調整できるよう、支柱側はとりあえずビス1本で留めます。垂直が確認できるまで、本締めはしません。
- 控え作業のあいだはホールド/フリーズで数値を固定します。 気泡を一度タップすると、いまの数値が固定されます。「HOLD」のバッジが出ます。これでスマホを置いて両手で控えを作業し、準備ができたら手に取って同じ数値を読めます。画面を見ながら片手で控えと格闘する必要はありません。
- 垂直になるまで控えを調整します。 杭側で各控えを伸ばしたり縮めたりして、スマホが両方向でゼロを指すまで合わせます。ゼロが出たら、控えを支柱に本締めします。
- 締めたあとにもう一度確認します。 ビスを打つと支柱が少しねじれることがあります。控えを締め終えたら、もう一度垂直を確かめましょう。
フェンスの線に沿って複数の支柱をそろえる方法
一本ずつ垂直にするだけでは仕事は終わりません。それぞれが垂直でも、列で見ると互いにずれて並んでいることがあります。並びの確認は垂直の確認とは別で、やり方も違います。
糸を張る方法
まず両端の支柱を立て、完全に垂直に出します。次に、両端の支柱の同じ高さ、ふつうは上のあたりに、ぴんと張った糸を渡します。あいだの支柱は、正面がその糸に軽く触れる位置に来るのが正解です。糸から引っ込んで立った支柱は、たとえ垂直でも、離れて見ると線にゆがみを作ります。
ここに誰も言わない落とし穴があります。糸が効くのは、両端の支柱が垂直で、同じ高さのときだけです。糸はぴんと張っていて全部の支柱が触れているのに、片方の端柱が傾いていたせいで、糸そのものが曲がった基準線を走っていた、という現場を見たことがあります。悪い線にきれいにそろっていたわけです。まず端の支柱を正しく立てましょう。傾いた支柱に結んだ糸を信用してはいけません。
支柱の頭の高さをそろえる
平らな地面なら、支柱の頭はすべて同じ高さに来るはずです。長い直材を隣り合う二本の支柱に渡し、スマホで読みます。水平を指すはずです。斜面では、フェンスを地面なりにする(どの支柱も地面から同じ高さ)か、上端の横桟を水平に保つ(支柱ごとに切る長さを変える)かを、まず決めます。どちらでも構いませんが、立て始める前に決めておきます。
支柱がねじれていないか確認する
支柱は垂直でも、軸まわりに数度回ってしまい、広い面がフェンスの線に対して直角でないことがあります。すると板が少し斜めに付いて、見た目がおかしくなります。流し込む前に、面が糸に沿っているか確認します。どの支柱の面も糸と平行なら、並びと向きの両方が確かめられます。
コンクリートが固まる前に支柱が垂直でなかったら
生のコンクリートには猶予があります。流し込んだ直後はまだ完全に流動的で、手で支柱を動かして控えを合わせ直せます。10〜15分ほどでヨーグルトくらいの硬さになり、まだ動きますが力を入れる必要が出てきます。30分になると、たいていの混ぜ物は襟を割らずに動かすには硬すぎます。
支柱がずれるのは、たいてい流し込んだ直後の数分です。コンクリートの重みと流し込みの揺れが支柱を押します。ですから各支柱を流し込んだら、その日の終わりに全部固まってからではなく、数分以内に垂直を確認しましょう。
コンクリートの種類ごとの直せる時間
ウェット方式は完全に流動的なのが1〜2分、力を入れれば5〜8分まではまだ押せます。ドライ方式は水をかけてから20〜40分は直しやすく、1時間あたりで固まってきます。速硬でない普通の袋なら15〜20分です。これはあくまで目安です。気温、湿度、入れた水の量で数字は動きます。暑い日は早く固まり、4℃を下回る寒い日は長引きます。
コンクリートが固まり始めてしまったら
固まりかけたコンクリートの中でずれた支柱は、直すのが難しくなります。方法は三つです。掘り出して立て直す。これがいちばんきれいに仕上がります。あるいは、はつり機で襟を壊して立て直す。これは初日くらいまでなら効きます。または傾きをそのままにして、地際に金属の矯正金具を足す。これは本当の修理ではなく応急処置です。傾きが目立つフェンスなら、最後まできれいに見えるのは、掘り出して立て直す方法だけです。
よくある質問
フェンスの支柱が垂直かどうか、どう確認しますか?
Surface モードで、スマホを支柱の面にぴったり当てます。Surface モードは前後の傾きと左右の傾きを同時に読みます。丸い気泡が中央に収まってはじめて垂直です。片面だけを見ると、より起こりやすく目でも見つけにくい横方向の傾きを見逃します。
フェンスの支柱の穴はどのくらい深く掘るべきですか?
支柱全体の少なくとも3分の1を地面より下に埋めます。地上1.8m の支柱なら0.9m の穴、つまり全長2.7m の支柱です。地面が凍る地域では、穴の底を地域の凍結深度より下まで掘ります。凍結深度は地元の役所で教えてもらえます。浅い支柱は冬のあいだに持ち上がって並びが狂います。
フェンスの支柱にはウェット方式とドライ方式、どちらのコンクリートがいいですか?
どちらでも大丈夫です。ウェット方式は調整に約1分。ドライ方式は水をかけてから20〜40分あり、混ぜる必要もありません。初心者や、一列の支柱をまとめて立てる人にはドライ方式が向いています。時間に余裕があるので、コンクリートが固まる前に各支柱の垂直を何度も確認できます。
フェンスの支柱が垂直でないとどうなりますか?
横桟が水平に走らず傾きます。1.8m の支柱が2°傾くと上端が約6.4cm ずれ、通しで見ると目立ちます。内側に傾いた支柱は板を圧縮し、外側に開いた支柱はパネルの上部に隙間を作ります。年月とともにフェンスがねじれ、ビスが緩み、早く傷みます。