水平器アプリと従来の気泡管水平器:どちらを使うべき?
たいていのDIY作業なら、どちらでも水平は出せます。現場で片手を空けておきたいときは、物理的な水平器が便利です。音で知らせてくれたり、測定を記録できたり、そもそもポケットに入っているという点では、スマホが便利です。私がどんなときにどちらを手に取るかを紹介します。
- キャリブレーションをすれば、スマホの水平器アプリは0.数度の範囲まで読み取れます。タイル、家電の設置、仕上げ作業なら十分な精度です。
- しっかりした物理的な水平器はおよそ1,500〜9,000円ほどで、長い距離のチェックや片手での取り付けで真価を発揮します。
- スマホには気泡管にはできないことがあります。音でのフィードバック、GPSタグ、過去の測定の記録です。
- おすすめは両方持つことです。現場作業用に60cm(24インチ)ほどの物理的な水平器を1本、精密なチェックと記録用にスマホを使いましょう。
- 物理的な水平器の狂いを確かめるのに、スマホを使うこともできます。
それぞれの仕組み
従来の気泡管水平器は、アルコールを封入したガラス管の中に小さな気泡を入れたものです。重力が液体を下に引くので、気泡は一番高い場所に上がってきます。気泡が管の2本の線の間に収まれば、その面はメーカーが設定した許容差の範囲で水平です。一般的な水平器なら、その許容差はおよそ0.5度ほど。精密な機械用水平器はもっと厳しくなります。
物理的な水平器
仕事をするのは気泡管ですが、実際にお金を払っている理由は本体の長さにあります。本体が長いほど面に広く接するので、小さな凹凸をなぞらずに、その先まで読み取れます。壁の間柱の上では、23cm(9インチ)のトーピード型より1.2m(4フィート)の水平器のほうが安定するのはこのためです。両端が凹みを平均してくれるのです。良い工具だからといって気泡が速く動いたり遅く動いたりするわけではありません。お金を出して手に入るのは、工場で正確に据えられた気泡管と、何年たっても真っ直ぐなままのフレームです。
スマホの水平器
スマホには3軸の加速度センサーが入っています。3つの方向の重力を同時に測る小さなチップです。スマホを平らに置くと、重力はほぼ1つの軸にかかります。傾けると、その力が3つの軸に分かれます。アプリはその数値を読み取り、角度を計算して、度数で表示します。センサーから出てくる生の値は1度くらいの精度です。アプリがキャリブレーションと平滑化をかけると、0.数度の範囲に収まり、そこから本当に使える道具になります。
正面から比べる
どちらがほしいかは、目の前の作業しだいです。下の表で、大事なポイントごとに両方を並べてみました。すべての項目でどちらか一方が勝つわけではありません。だから多くの人が両方を持ち歩くのです。
| 項目 | 物理的な水平器 | スマホの水平器アプリ |
|---|---|---|
| コスト | 1,500〜9,000円ほど(信頼できるブランド) | 無料〜数百円(手持ちの端末を使う) |
| 精度 | 一般用でおよそ±0.5度、精密モデルはもっと厳しい | キャリブレーション後で0.数度の範囲 |
| 片手での使用 | 可能、画面を見る必要がない | 可能、音のフィードバックを使えば |
| データの記録 | 不可 | 可能、写真とGPS付きで測定を保存 |
| 音のフィードバック | なし | あり、水平に近づくとビープ音で誘導 |
| 電源 | 不要 | 必要、スマホのバッテリー |
| 雨・ほこりの中での使用 | 可能、壊れる電子部品がない | スマホの防水・防塵等級しだい |
| 複数のモード | ふつう気泡管3つ(水平・垂直・45度) | 平面モードと垂直モード、目標角度の設定 |
| キャリブレーション | 工場で固定、狂うことがある | いつでもソフトウェアで調整 |
| 長い距離のチェック | 得意(1.2m/1.8mモデル) | スマホの長さまで(約15cm) |
| 持ち運び | 工具を持っていく必要がある | いつもポケットの中 |
物理的な水平器のほうがよい場面
物理的な水平器がはっきり勝つ場面がいくつかあります。まず大きいのが距離です。1.2mや1.8mの水平器は、15cmのスマホがただなぞってしまうような低い所と高い所をまたぎ、その区間全体の本当の平均を出してくれます。大工が間柱の壁に1.2m(48インチ)の水平器を使うのはこのためです。壁そのものは、長さ方向で見ると平らなことはめったにありません。長い工具でないと、その凹凸の先まで読めないのです。
ほこり、泥、雨
安いトーピード型の水平器は、コンクリートの粉やにわか雨など気にしません。スマホは防水・防塵の等級があるかもしれませんが、現場はすぐに仕様書の範囲を超えていきます。モルタルの飛び散り、丸ノコから出るシリカの粉、水の入ったバケツへの落下。条件が荒っぽいときは、泥の中に落としても惜しくないのが物理的な水平器です。
片手での取り付け
ドア枠を吊る、生コンに柱を立てる、天井の器具を支える。こうした作業では、たいてい片手が工具用、もう片手が作業用になります。物理的な水平器は面に立てかければ自分で止まります。その姿勢でスマホの画面を見るのはやりにくいですし、音のモードでも、スマホを置くにはやはり片手が要ります。本当の片手作業では、気泡管に軍配が上がります。
電池切れの心配がない
長い一日の終わり、スマホの残量は8パーセント。それでも水平器はちゃんと使えます。何も要りません。だからこそ気泡管はここ数百年ずっと現場に居続け、基本の仕組みは変わっていないのです。電源のない遠い現場では、この頼もしさが大きな意味を持ちます。
いちばん安い輸入品の水平器は、箱から出した時点で1〜2度ずれていることがあります。買うなら、Stanley、Empire、Johnsonといった名の通ったブランドに少し多めに出しましょう。大事な作業に使う前に、平らだと分かっている面で確かめてください。
スマホのほうがよい場面
スマホは、気泡管ではどうにもならない場面でこそ活きてきます。しかも一番の理由は精度ではありません。フィードバックと記録です。気泡管は水平か水平でないかを教えてくれるだけで、工具を持ち上げた瞬間に忘れてしまいます。スマホは音で誘導してくれて、後のために測定を残しておけます。
両手が空く音のガイド
スマホを面に置き、音をオンにして、両手を使いましょう。ビープの間隔が、今どのくらいずれているかを教えてくれます。ゆっくりなら大きくずれている、速ければ近い、連続音になれば水平です。画面を見る必要はありません。キッチンの吊り戸棚を付けたり、家電を据えたりと、シムを少しずつ動かして詰めていく作業で本当に助かります。
写真とGPS付きで測定を保存
気泡管に記憶はありません。アプリなら、角度・時刻・面の写真・GPSの位置を、プロジェクトごとに分けて全部保存できます。タイルの床、排水の勾配、屋根の傾き、そして後から検査官や施主に「実際どのくらい水平なの?」と聞かれるような作業では、この記録が効いてきます。物理的な水平器は、現場を離れて3週間もたてば、その問いに答えられません。保証やクレーム対応の仕事では、日付と写真の付いた記録が話を決めることがよくあります。
柱を支えたままの垂直チェック
フェンスの柱やドア枠を手で押さえたまま垂直かどうかを見るには、ふつうもう1人いるか、柱に水平器を立てかけるかが必要です。スマホなら柱の面に平らに貼りつけて、片手で両方の軸を読めます。ふつうのトーピード型は垂直用の気泡管が1つだけで、これはできません。ピッチとロールを1回の測定でまとめて見られます。
調整できる許容差
気泡管は水平かどうかを示すだけで、細かい作業のために範囲を狭めることはできません。アプリなら許容差を選べます。仕上げの造作なら0.数度まで厳しくし、荒い枠組みなら1度まで緩める。設定に合わせてフィードバックも変わります。この1つの設定が、用途別に揃えた工具一式の代わりになります。
いつも手元にある
スマホはポケットの中。物理的な水平器はトラックの中か、車庫の中か、出がけに確認し忘れた棚の上です。額縁や家電をちょっと見たいだけなら、手軽さだけでスマホが勝ちます。いちばんいい工具は、その場に持っている工具です。
次の作業で、音で誘導する水平出しを試してみませんか? Spirit Level Proはどのモバイルブラウザでも動き、ダウンロードは不要です。
Spirit Level Proを無料で試すレーザー水平器はどうなの?
レーザー水平器は部屋全体に真っ直ぐな線を投げるので、長い距離の墨出しにはこれが向いています。吊り戸棚を付ける前に壁の長さ分の基準線を出したり、広い空間で天井の高さを揃えたりするのに使います。入門用のライン式レーザーは、家庭の工具箱に入れられるくらいの値段です。現場全体の勾配を出す回転式レーザーは、かなり高くつきます。
棚1つ、ドア枠1つ、柱1本といった単品なら、レーザーは大げさすぎます。額縁のフック1つを見るのに三脚と光線を立てる人はいません。そこはスマホか物理的な水平器のほうが速くて簡単です。レーザーは長い距離の墨出し用、水平器(スマホでも気泡管でも)はピンポイントのチェック用、と考えるとよいでしょう。
物理的な水平器の狂いを確かめる
物理的な水平器は狂います。フレームがぶつかって真っ直ぐでなくなり、気泡管も長年の使用やときどきの落下でずれてきます。定番の確認法が反転法です。水平器を面に置いて気泡を見ます。端と端を入れ替えて180度回し、気泡が同じに読めるか確かめます。読みが変われば、その水平器は狂っています。頼りにしている水平器なら、年に1回はこれをやる価値があり、激しく落としたあとにもう1回やるとよいです。
ここでキャリブレーション済みのスマホが基準として役立ちます。スマホを面に平らに置いて読みを控えます。その横に物理的な水平器を置いて比べます。0.5度以上ずれていれば、どちらかが狂っています。スマホなら、平らだと分かっている面で数秒で調整し直せます。物理的な水平器のほうは、反転法か、メーカーに送って調整し直してもらうしかありません。
結論:両方使う
精度、コスト、電池、長い距離、音、記録という観点で2つを並べてみると、正直なところ両者は競い合うというより、それぞれ別の守備範囲を持っている、というのが答えです。この仕事をする人の多くは、結局どちらも持ち歩いています。構造まわりの作業には物理的な水平器、それ以外にはスマホ、という具合です。
私なら、まともなブランドの60cm(24インチ)の水平器を1本持ちます。枠組み、ドア、柱、そして工具の長さそのものが肝になる距離の作業用です。そしてスマホは、仕上げ作業、材を押さえたままの垂直チェック、音で誘導する調整、それに記録が要るあらゆる作業に使います。
スマホは物理的な水平器の代わりにはなりません。そのかわり、水平器がもともと想定していなかった仕事をこなします。測定を覚えておく、音で誘導する、垂直モードで両方の軸を同時に読む、そして目の前の作業に合わせて許容差を絞る、といったことです。
よくある質問
スマホの水平器アプリは、プロの仕事に使えるほどの精度がありますか?
たいていの作業なら使えます。今どきのスマホは、キャリブレーションをすれば0.数度の範囲で読めるので、タイル、家電の設置、仕上げの造作に必要な精度は十分に満たします。長い構造の距離では、やはり1.2mや1.8mの物理的な水平器のほうが向いています。長さがあるぶん、15cmのスマホがなぞってしまうだけの面の凹凸を平均してくれるからです。
手持ちの物理的な水平器がまだ正確か、スマホで確認できますか?
できます。キャリブレーション済みのスマホを物理的な水平器と同じ面に平らに置いて、読みを比べてください。0.5度以上ずれていれば、どちらかが狂っています。平らだと分かっている面でスマホを調整し直し、もう一度試します。反転法(物理的な水平器を端と端で180度回す)を使えば、水平器そのものがずれているかどうかが分かります。頼りにしている水平器なら、年に1回は確かめる価値があります。
物理的な水平器で、いちばんおすすめのブランドは?
Stanley、Empire、Johnsonは、手頃な値段でしっかりした精度が得られると、多くの人が繰り返し選ぶ名前です。安すぎる水平器は工場出荷時から1〜2度ずれていることがあるので、頼る前に確かめてください。枠組みなら、1.2m(48インチ)のEmpireやJohnsonが、信頼できる精度と長持ちするフレームを与えてくれます。StarrettやStabilaのような機械用グレードの水平器はもっと厳しい精度ですが、値段はぐっと上がります。
スマホの水平器アプリは、インターネットなしでも動きますか?
動きます。加速度センサーは完全にオフラインで角度を読み取り、接続は要りません。ファイルをキャッシュ済みのプログレッシブウェブアプリなら、最初の読み込みのあとは完全にオフラインで動きます。保存した測定へのGPSタグ付けは座標を求めるのに電波が要りますが、水平出しそのものはネットワークに触れません。だから電波のない遠い現場や地下室でも、スマホの水平器は頼りになります。
何もダウンロードせずに、どのスマホでも使える水平器アプリはありますか?
あります。プログレッシブウェブアプリなら、アプリストアからのダウンロードなしで、モバイルブラウザでそのまま動きます。spiritlevel.proのSpirit Level Proもその1つです。AndroidでもiPhoneでもURLを開けば、水平器がすぐに使えます。よければホーム画面に追加できますが、それは任意です。音のフィードバック、平面モード、垂直モードは無料で、アカウントも要りません。